被災地支援ボランティア活動報告会

NPOピッピ親子サポートネット主催、能登半島地震「被災地支援ボランティア活動」オンライン報告会で、金子翔さん(となりのいえ勤務・W.Co La casa)とともに平田(みんなの保育園勤務・W.Co Socio)も報告しました。72人の、たくさんの方の参加でした。横浜では、能登の報道も少なくなってきていますが、みなさんの関心の高さが伺えました。私が輪島に行ったのは3月末で「行くのが遅かったかもしれない」と思っていましたが、発災直後から変わっていない崩れた建物、避難所の暮らしを経験して、まだまだこれからだと思いました。
能登に行くためには、保育園のワークの調整、子どもたちのこと(春休みで私の実家へ)、自分の体調管理。もう一つ、病棟を離れてからのブランクが心配で、法人内のデイサービスで事前研修の機会をいただき、利用者さん、家族に寄り添う姿勢の実践(目線を合わせる態勢、床にものを置かない、嚥下体操)を経験させていただきました。専門性や経験年数などの違いはあれど、医療、福祉関係者なら基本の、相手を大切に思って関わる。それが大事と気づき、不安な気持ちは解消されました。
関連死について
3月9日に、WE21ジャパン青葉の講座、「3.11を忘れない」の中で、東京電力福島第一原発事故で、福島県浪江町から避難されてきた伊藤まりさん(WEジャパン青葉理事)から「浪江町は182人の直接死、関連死は倍以上の441人。宮城や岩手より福島県は多い。」という報告がありました。今回の地震でも、がれきの中から救出というニュースは大々的に報道するけれど、その後、避難所生活の中で人知れず亡くなる方がたくさんいることにメディアの多くは無関心。助かった命のその後のケアが不十分。多くの人が災害支援に関わりたいと考えていますが、行政の動きも遅い(行政も被災している)。・・・でも、こうしている間にも命が失われる。(とにかく行かないと!)と思って、それを支えてくださる人がたくさんいて、現地に入れました。関連死を防ぐためには「トイレの清潔」。トイレと身の回りの環境整備を第一に活動しました。
輪島市の人口は、2024年1月日時点で、23,118人(高齢化率46.2%)、世帯数11,357。地震後、人口減少のスピードが加速している。建物被害の状況も、全壊3,824、半壊3,865、一部損壊7,127、非住家被害7,199(4月16日、石川県災害対策本部会議)。ほとんどの人が被害を受けている。避難所内は電気OK、時々断水があるが上下水OK。暖かく、支援の食べ物、衣服、衛生材の寄付で生活は問題ないように見えますが、プライバシーはない状態でした。


輪島での医師のことば「2007年に地震が起こったが、行政も、医療・福祉事業者も、市民も誰も自分ごととしていなかった」。一生懸命がんばって、わりと早い時期に福祉避難所を開設したところへ定員以上の人が押し寄せた。頑張って受け入れたが、感染症の大流行で避難所機能が果たせなくなった。こういった話がそこかしこで起こった。管理者の惨事ストレスも大きいと思います。平時からの備えをしておけば、回避できること、慌てないですむことも多くある。
現地で経験したことをたくさんの人と共有できてよかったです。また報告の機会をつくっていきたいです。輪島にいく前の研修と、行ってから、目の前のひとを大切に思う気持ち、保育の仕事の尊さも改めて実感しました。自分のスキルはどんな場所でも、まだまだ高めることができると思います。
せっかく助かった命が失われないように、生きることを諦めてしまう人がでないように、横浜でも能登でも、できることをやっていきます。