院内集会2022「コロナ禍 人材不足在宅介護を後退させない!」
3月24日、院内集会2022国会に届けよう「コロナ禍 人材不足在宅介護を後退させない!」(主催:介護の崩壊をさせない実行委員会)に参加しました。
テーマは、介護保険基本報酬アップ、介護認定に関わる経年調査、ケアプランの有料化について、デイサービスでの入浴加算の単価引き下げについて、2020年度介護保険制度の改定で、ケアプランの点検を行なうしくみや大規模通所介護・通所リハビリテーションの報酬の扱いについて、介護保険事業のICT 化推進、通院介助についてなど、盛りだくさんの内容でした。
多くの人が住み慣れた地域で自分らしく生きたいと希望する一方、介護現場は仕事の内容に比べ報酬が低く、人材不足。コロナ禍で運営はさらに厳しい状況で、ここで本当になんとかしないと介護は崩壊してしまう。
会の始まりには、大河原まさこ衆議院議員が、「脳出血から1年経ち、日常生活を地域で支えてもらっている。『絶対に在宅介護を後退させない』ことは、自分ごとであり、大きな政治問題。生活の現場で介護に当たっている現場の声は貴重。改善を実現することが介護を受けている多くの高齢者や障害を持っている方の生きる希望になる」と、力強い声を聴きました。
通所の入浴に関して、自宅では入れない様々な理由(老老介護、一人暮らしで認知症の方)が背景にあり、体力的にも負担が大きい。光熱費の負担もある中、「入浴介助加算Ⅱ」を取得している事業者がどれくらいいるのか、どれだけ自立につながったのか、効果、検証してほしいという声も聞かれました。
入浴介助は血圧変動など状態変化も起きやすく、転倒リスクも高い。状態によっては入浴ではなくシャワー浴や足湯に切り替えたり。会場からの声で私も、小さい褥瘡の発見したり、入浴を渋る認知症の患者さんに、楽しい気分でお風呂に入ってもらうために時間を要したり、真夏の介助で汗だくになったり、いろんな経験を思い出しました。そして、それはリハビリや自立に向けての訓練ではなく、清潔保持やリラクゼーション効果、血行・新陳代謝促進、爽快感を得るための時間であると再認識しました。「現場を見て欲しい。現実をみて改善してほしい。」と切実な状況が伝わりました。
介護認定の結果についてのところでは、疑問や不満がある場合に不服申立申請の制度がありますが、「不服申立は時間がかかるから、区分変更申請をしてはどうでしょうか」と勧められることがあるそう。実際、東京神奈川の62自治体での「介護認定に関する自治体調査」では、不服申し立て申請について回答した34の自治体で、5年間でわずか16件。「おかしい」と思った時に、介護保険審査会にどうしてこの介護度なのか、説明を聞くことは権利であるはずなのに、区分変更を勧められる。区分変更についても、理由が「認定結果に不満がある」であるのか、項目が分けられていないためデータが残らず検証もできない。 また、認定審査会の内容も申請者に非公開であったり、審査会メンバーの構成、介護認定が公正に行われたのか明らかにするためにも、制度の見直しが必要という提案でした。
厚労省としてどのように現状を捉え、今後どのような方向性であるのか、その考えを聴きたいと思い私も質問させていただきました。残念ながら明解な回答はありませんでしたが、事前に今回の提案は文書で提出しているので、後日の回答を楽しみにします。今回、不服申立申請の調査は市民が62自治体に地道に聞き取りしたものですが、全国のデータを厚労省は持っているということでした。公正公平であるという裏付けにもなりますし、情報をきちんと公開し、透明性を高めていただきたい。院内集会のようすは、近々youtube配信もされるそうです。ぜひ観てください。