カジノ・IRよりも新型コロナウィルス対策に全力を注ぐべき

2020年度一般会計予算案には、4億円のカジノ・IR推進費も含まれており、2020年度一般会計予算案に対し、市長に質問しました。私が最も言いたいのは以下の点です。

負けた人のお金をあてにし運営するカジノ・IR

12月26日磯子区のIR市民説明会で、副市長は「カジノの増収効果、800億~約1200億は、5000億ギャンブルで負ける方がいないと出ない」という驚きの発言をしました。自治体が賭博の上がりをあてにした行財政運営をめざしていることに市民の理解は得られません。

強調するメリットには裏付なし、社会的コストが全く示されない

カジノの売上金額や、経済効果の算定の根拠について、改めて質しましたが、市長は「今後事業者選定や区域整備計画を策定する中で精度の高い数字を出す」と答弁。心配されているギャンブル等依存症は実態把握が困難な病気のひとつです。実態調査の進捗状況も不明で、ギャンブル等依存症の具体的な対策はこれからと言います。したがって必要となる対策費も不明。重要なことを後回しにしにしています。

カジノのない山下ふ頭開発基本計画とカジノ・IRを比較検討すべき

山下ふ頭開発基本計画に基づき「ハーバーリゾート計画」の検討を進めてきた横浜港運協会(ハーバーリゾート協会)からは、カジノのない開発計画案も提案されています。長らく山下ふ頭で事業に関わってきた皆さんにとってはカジノ誘致は寝耳に水。一方的な移転交渉を受け入れられないのは当然です。

ハーバーリゾート協会が掲げる、カジノなしのハーバーリゾート計画は、国際展示場を中心とした開発計画で、100%民設・民営事業で十分収支が見込める、とされています。カジノによる有害な影響や、社会的コストなどのデメリットも発生しません。
問題は、横浜市が自治体として、この計画について議論を行っていないことです。この点についても、市長は「国の制度設計では、民設民営は難しくIRはカジノの収益を活用する枠組みとなっている」との答弁。自治体として調査研究、検証を怠り、カジノありきで事業を進めていると指摘せざるを得ません。まず、カジノ・IRと、カジノなしの開発計画を比較・検討し、横浜市にとって貴重な市有地について議論を深めるべきです。

見切り発車の、実施方針『横浜IRの方向性(素案)』のパブコメ実施

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、青葉区を含め6区でのIR市民説明会は延期されています。「横浜IRの方向性(素案)」のパブリックコメントを実施するとしても、せめて全区での説明会が終わってから行うべきです。自分の区での開催を待っていた市民からは公平性を欠くとの声も聞きました。パブコメは、公平に説明を聴いた上で実施すべきで、不公平感は否めません。

何よりも新型コロナウィルス 対策を優先すべき
横浜市内では医療、高齢者等施設、保育所、学校でもマスク、アルコール消毒液が不足しており、市の備蓄もこれから先1ヶ月もつかどうかという厳しい現状です。今回の新型コロナウィルスの感染拡大で、マカオを始めアジアのカジノも大打撃を受けており、一極集中型の事業や、経済のリスクも顕在化しています。カジノ・IRについての事業を停止し、新型コロナウィルス対策に全力を注ぐべきです。

 

本会議、予算関連質疑