カジノより、くらしの底上げが優先

 8月19日横浜市がカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する方針を固めたと新聞報道がありました。林市長は今日記者会見予定です。

IRに対しては、治安の悪化、ギャンブル依存症の増加、青少年への悪影響などの懸念があり、2018年9月の横浜市中期4か年計画 (素案)に関するパブリックコメントでも、IRに関する意見は全体の20.3%(433件)と、市民の関心が最も高く、このうち94%(407件)がカジノ反対を表明しています。
「大型公共事業よりも、市民のくらしを最優先にする税金の使い方を」との意見も多くありました。
人口減少、低経済成長という今、子どもの貧困、介護、労働をめぐる問題など、向き合わなければならない多くの生活課題があります。

6月に行われたIRに関する市民への説明会では、IRに前向きな事業者による開発構想案にもとづき、「経済効果があり、増収効果が見込まれる」とされました。しかし、諸外国では破綻したカジノもありますし、推進派だけではなく幅広い意見を聴く必要があります。また、説明会は、市内全区で行われたわけでもなく、説明時間も短く、市長の詳しい見解も公表されていません。

そして、現在もギャンブル依存症に苦しむ方がたくさんいることも忘れてはなりません。
ギャンブル依存症(遊戯に分類されるパチンコも含む)の実態を把握するために継続的な調査を実施し、その結果を公表すること、依存症への継続的な治療の必要性を周知するとともに、自治体としても、生活支援、就労支援など現行制度につなぐ方策を強化すること、そして、子ども、若者を含めた予防教育を推進することが求められます。
こうした取り組みを着実に進めていけるよう、提案を続けます。

まずは、IR誘致方針を撤回し、市民への説明の機会を設け、広く意見を聴取し、議会においても丁寧な議論を積み上げる必要があります。
何よりも、市民合意がないままIR誘致を進めるのではなく、市民のくらしの底上げこそを優先すべきと考えます。