防災とプライバシーについて(2022年12月議会)

12月議会(第4回市会定例会)が始まりました。11月29日から12月23日まで、中期4ヶ年計画、横浜市地球温暖化対策実行計画の策定、補正予算案では、原油価格・物価高騰対策、年末年始の医療体制強化など新型コロナウイルス感染症対策、都筑区民文化センター(仮称)用床取得にかかる予算街義務負担など、審議が始まります。

12月1日に行われた減災対策推進特別委員会では、防災DXの現状と展望について臼田裕一郎氏(国立研究開発法人防災科学技術研究所 総合防災情報センター長)からご講演いただきました(委員会資料はこちら)。

全国どこでも災害が起きるリスクはあり、地域で気になるところ、課題に思っていることをまず地図に洗い出し、ハザードマップ(行政の俯瞰的視点)と重ねてみると違うことが多々ある。地域と行政がコミュニケーションを図るきっかけにもなった(横浜市地区防災計画提案https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/bosaikeikaku/shishin/bousaikeikakutou.files/0001_20221012.pdf)というお話や、防災DXの方向性と現実の課題、そしてこれからの展望についてお聴きしました。

 

防災とプライバシー、セキュリティについて

東日本大震災を契機に、救護活動に遅れが出ないよう、災害時のデータ活用は可能になっている。しかし、平常時からの要支援者名簿の提供による準備は自治体ごとにバラバラという課題がある。横浜市でも災害時の要援護者、医療機器の電源を必要とする方の地域ごとの人数や状況を把握できていないことに課題を感じている。要支援者が何人、必要なことは何かを把握することは、災害時の対策を考える時に重要であるが、その方の疾患など個人のプライバシーと、セキュリティについてどうお考えか聞きました。

臼田氏からは、「神奈川県のデータ統合連携基盤の検討会でも、個人情報、プライバシーの議論が行われている。個人情報保護についての法律や条例は、制約するものではなく、いかに防災や災害時に役立たせるか、というもの。意識も変えていかねばならない。災害時(緊急時)は、『個人情報を活用しても良い』とルールになっているので、役立てる。しかし、個人感情的な部分もあるので、平常時から、災害時に活用することに理解を得た上で個人情報を集める。初めに、しっかり説明し、認識のずれがないよう承諾を得ることが重要。」という回答でした。いざという時のために、まずは状況の把握を進めていきたい。そのためには、平常時からの丁寧な声かけ、信頼関係の構築が重要であることを、あらためて学びました。