ネット青葉第37回定期総会〜多様な子育て支援、出向く支援の役割と可能性〜

ネット青葉の第37回の定期総会を市が尾事務所とオンライン併用での開催しました。調査活動やミニフォーラムのきっかけは地域の声から。その声はひとりのものではなく、その背景には「私もそうだ」という人がたくさんいる、社会の課題。社会化していくためには、ネットワークと市民参加が何より大切だと再認識しました。

総会企画「多様な子育て支援、出向く支援の役割と可能性」ではNPO法人W.Coパレット山田範子さんから、子育てサポートシステムについて、NPO法人ピッピ・親子サポートネット若林智子さん、NPO法人さくらんぼ宮川典子さん、伊藤保子さんから、産前産後ヘルパー派遣事業、育児支援ヘルパー、養育支援ヘルパー、ひとり親家庭等生活支援事業、独自支援事業について、コロナ禍での現状についての報告、意見交換しました。

子育てサポートシステムは、朝の時間、夕方から夜にかけての送迎や預かりの利用が多い状況。病棟看護師時代、1歳の子どもを抱っこ紐で抱え、まあまあ混んでいる6時台の電車に一緒に乗って保育園に預けていたことを思い出しました。今も同じ勤務形態だったとしたら、小学校の登校時間よりも私の出勤時間が早く、親がいない時間に誰かの手が必要でした(小1の壁)。山田さんからは70代、80代の提供会員さんも多く、新型コロナウイルス感染症の拡大で家族からの心配もあり、援助活動を控えているというお話や、土日の就労、夜遅い時間までの就労の家庭に対し、子どもの長時間の預かりのニーズがあること、それを支える人とのマッチングの難しさなどを伺いました。

産前産後ヘルパー支援事業、育児支援ヘルパー、養育支援ヘルパー、ひとり親家庭等生活支援事業と独自支援事業については、ただ家事の代替作業を行うだけではない、その家庭の状況に対するコミュニケーションスキルも求められます。その時にある食材で一品一品を調理する難しさ、工夫の素晴らしさを聞きました。コロナ禍でもニーズは下がらず、ヘルパー派遣回数は増加しています。若林さんからは、コロナ禍での産前産後ヘルパー等アンケート結果で、ヘルパーの派遣の問い合わせに対し、63%の事業者が、「断ったことがある」と答えており、「希望の地域に行けるヘルパーがコーディネートできなかった」という、深刻な人材不足、ヘルパーの高齢化の問題への指摘もありました。

私は2人目出産時に多量出血したために思うように身体が動かず、産前産後ヘルパー利用を考えました。しかし、区に相談した時も母親と赤ちゃんが一緒にいる時にしか利用ができない(上の子の送迎など親と離れた時には利用できない、9時から17時までの利用時間)ため、子育てサポートシステムとの併用を勧められました。体調が安定しない中で様々なところに電話をして調整すること、複数の方にお願いするのを難しく感じ、(もう少し柔軟に制度が使えたら)と思ったひとりです。

 宮川さんからの報告で、産前産後ヘルパー派遣事業の朝や夕方以降の利用時間のニーズ、産後5ヶ月以降も利用したいという声を聞くと、利用を制度を知らなかったり、知っていても制度が使いづらく、自分でなんとか乗り切ってきた人も多いのではないかと想像できます。プライベートな部分、家庭に入っての支援ということは双方に緊張感のある中、ヘルパーは高い専門スキルで日常的に支援を行なっています。コロナ禍だからこそ、見えづらい家庭に入る難しさ、つながっていくことがどれだけ重要か、ヘルパーの仕事の価値が認められる社会に変えていきたい。この価値についてもっと知る人を増やし、参加を広げ、政策提案につなげたい。明日から新しい一歩を、いえ、「今すぐ一歩踏み出そう」と気持ちを新たにしました。