子どもの育ちを社会全体で支える
9月29日、本会議の議決が行われました。私は、議第5号議案「横浜市子供を虐待から守る条例の 一部改正」について、反対しました。
その理由は、前文にある、「子供は円満な家庭において慈しみと愛情を持って育てられる存在である。」という前提に賛同できなかったからです。
今日の子どもと子育て家庭をめぐる社会環境は、大きく変化し、その課題は一層複雑化しています。家庭で暮らすことができない、厳しい家庭環境にある子どもたちも多数存在しています。そうした中で、さまざまな社会資源を活用し、子どもは家庭だけではなく地域社会の中で育つということを基本認識とすべきです。
児童福祉法では、すべての子どもが、福祉を保障される権利の主体であることを基本理念としており、国民は、子どもが良好な環境のなかで生まれ、社会のあらゆる分野において、年齢や発達の程度に応じて、その意見が尊重されるなど、子どもが心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない、としています。
条例案の提案理由として、「全ての市民が一体となって、地域の力で子どもと家庭を支える環境づくりを構築するため」と説明がありましたが、条例改正案の中で、地域づくりについて言及されていないことは誠に残念です。
あらためて、虐待防止には、子どもを中心に、子どもの育ちを社会全体で支えていく観点から施策を充実させるとともに、社会参加や地域づくりを進めていくことが重要です。これからも地域の声を聴き、誰もが暮らしやすい社会をめざします。