事実解明が必要〜横浜市大への不当圧力問題〜

9月24日、政策・総務・財政委員会が開かれ、請願第8号「横浜市立大学が発出した文書等への不当圧力問題について(請願文書はこちら)」の審査が行われました(9/22提出請願訂正願はこちら)請願で指摘されている内容が事実であれば、大学の自治を政治的な圧力で侵害する重大なコンプライアンス違反であり、議会での事実解明が必要と考え、私は紹介議員になりました。
委員会では、冒頭、請願者の郷原信郎氏を参考人招致することが多数決で決まり、郷原氏から請願趣旨説明がありました。委員会として、こうした「機会を閉さない」と判断したことは支持します。

各委員の質疑で横浜市大小山内 いづ美理事長は、以下のような事実経過を明らかにしました。
6月16日に発信したメールは、山中氏と連絡がつかない、公立大学法人として選挙活動や政治活動へ関与することはない」という内容であった。実際、6月14日から16日、山中氏と連絡が取れなかった。(副学長が山中氏の携帯電話をかけたが、連絡が取れなかった。)
◉6月17日夕方に山中氏から直接理事長に電話があり、辞意を表明された(6月30日に退職)。その際山中氏から「6月16日のメールに心を痛めている」などの話はなかった。
◉1ヶ月以上経った7月19日、山中氏と市議会議員から、謝罪とメールの訂正を求められた。
◉7月21日にも、山中氏と市議会議員と面談。訂正メール文案提示。
◉7月26日、訂正メールを発信。「本人と連絡がつかないという
事実と異なる内容を記載してしまった、山中氏は素晴らしい研究成果や実績により、市大のプレゼンスを高めてくださった、今後も感謝の意を学内外へ伝えて参る所存」等という、謝罪・訂正文を全職員にメールで送信した。


食い違う認識
山中市長は「本人と連絡がつかないなど、事実無根」と主張されていますが、市大側は、6月16日のメールの内容は事実であり、問題はなかったという見解でした。当時、臨床統計学主任教授など兼任し、学長補佐であった山中氏と3日間も連絡が取れないのは、大学側も困惑したと推測できます。市大の服務規程では教員は6ヶ月以内に退職の意思を文書で伝えることとなっていましたが、遵守されていないことも明らかになりました。

政策局担当によって作成された面談記録には、7月24日(土)の山中氏および市会議員と市大幹部のやり取りが記録されています。
それによると、山中氏側は、「(7月21日作成の訂正文案は)誠意が感じられない、学長名も並べてほしい。市民にSNSやインターネット上で理事長、学長の不誠実を知ってもらった方がよい」などと発言。訂正メールの文案が完成したら同席議員を通じて事前に見せることを求められていました。
小山内理事長は、この場での発言者は主に山中市長であったと証言しました。しかしながら、この発言に「政治的圧力は感じなかった」とも述べています。一方で、「議員や山中氏からの訂正依頼がなかったら7月26日のメールは発出していない」とし、その発言には矛盾点が見られます。

継続審議の必要性
質疑を通じて浮かび上がってきたのはさらなる調査の必要性です。委員会では、本請願の継続審査が決定しました。委員の中には、当事者が問題としていないのであればこれ以上調査研究する必要はないとの理由で継続審査に反対の意見も出されました。しかし、既に当事者の発言にはいくつかの矛盾があります。コンプライアンス・ガバナンス上の問題がなかったのか、さらに客観性を持った審査が求められます。今後も審議を注視し、事実解明を求めていきます。