山中新市長と論戦 その1
9月16日、ようやく新市長との論戦の機会を得ました。
山中新市長のカジノ・IR誘致撤回宣言は、選挙を通じて市長が強く訴えたことでした。そして、私自身もこの2年間多くの皆さんと共に声をあげてきたことであり、市長の政策判断を支持します。IR誘致を推進してきた多くの議員が市長選挙を目前に誘致撤回を掲げる候補者を支持したことで、山中市長のIR誘致撤回は概ね市会の総意と言える状況ではあります。しかし、多くの市民から懸念の声が寄せられ、また、コロナ禍という厳しい情勢の中でも推進されたIR誘致について、検証は必要です。
副市長が、IR事業への参入を目ざしていたとされる企業・事業者からの飲食接待を受けたとされる疑惑報道についても新市長のもとで調査し説明されるべき事案です。山中市長就任前に、マスコミ宛に、報道内容を否定する抗議文が発出されていますが、私は、当事者である副市長本人の主張を裏付けもなく発信しており説得性をもたない抗議であることを指摘し、再調査の必要性を訴えました。これについて、市長は、同様の認識を示し再調査を約束しました。今後も開かれた場で質していきます。
山中市長が訴えた政策転換は、IR誘致問題だけではありません。
旧市庁舎の売却および定期借地に関する契約は
まずは、9月末と目前に迫っている旧市庁舎の売却および定期借地に関する契約。旧市庁舎の売却価格の妥当性について、多くの疑義が寄せられています。市長も、選挙期間や就任会見で、「事実関係の確認をしたい」「代替プランを提示する」などと発言されており、あらためて見解を質しました。市長からは、売却価格の妥当性について、早急に確認する、妥当性が認められなければ代替プランを検討するとの見解が示されました。選挙を通じて市民から提起された課題として、あらためて検討の機会が得られた意義は大きいと思います。
旧上瀬谷通信施設跡地において、横浜市は大型テーマパーク構想を核に「観光・賑わいゾーン」の形成を計画してきました。しかし、相鉄ホールディングスが事業参入を断念したことで実現が危ぶまれています。山中市長は、新聞取材等でも再検討の意向を口にしていましたが、9月7日には都市整備局長名で、横浜シーサイドラインに対し、新交通システムの運行事業への参画を打診する依頼文が発出されています。私は、この文書について、「構想を再検討」とした市長のスタンスと整合性を欠いていることを指摘しました。
市長は、テーマパーク構想について、郊外部の新たな活性化拠点の形成に向けたまちづくりに取り組んでいくと答弁。「再検討」の言葉はありませんでした。また、2027年同地で開催が予定されている国際園芸博覧会に向けて、交通システムだけを先んじて整備するつもりかと言う質問に対しては、検討段階であることを強調しましたが、やはり9/7の依頼文は発出は計画推進の姿勢と受け取られても致し方ない内容です。
新たな交通計画は、土地利用計画の中で一体的に計画されるべきものです。コロナ禍で、大型集客施設は、そのあり方が問われています。将来を見据えた計画へと見直すことを求めました。
誠実で、信頼される市政の実現に向けて
横浜市においても、新型コロナウイルスの感染は未だ収束せず、引き続き厳しい財政運営を強いらていますが、こうした状況下にあって、市民からの信頼と協力なしに市政を推進することはできません。今まさに、市長ご自身も市民に誠実な姿勢を貫かなければいけない時であると考えます。市長には、疑惑をしっかりと払拭していただく、そのために質すべきことは質す、そう考え、横浜市立大学時代のパワハラ疑惑について尋ねました。
市長は、ずでにパワハラの疑惑をもたれているインターネット上のデータは自身の音声と認めていますが、「過去に横浜市立大学などから、ハラスメント行為や、その疑いを指摘されたことは一切ない。」「HPに見解を載せている」とし、それ以上の説明は聞かれませんでした。
市会の論戦を避けるような答弁は大変残念です。市長自身が、自身のものと認めた音声内容をパワハラと認識されているのか、パワハラでないという判断ならばその根拠を示すといった対応が求められていると考えます。
「データに正直」な市長として市会や定例会見の場で説明責任を果たしていただけるよう、今後も働きかけたいと思います。
上記質問を終えた時点で、私の持ち時間は無くなりました。
したがって、再質問を行うことが叶いませんでした。反省を踏まえて次の論戦に備えます。
看護師として医療現場に立っていた私にとって、9月10日の本会議において議論となった「医療崩壊」については、あらためて市長に問いたい課題でした。
次のエントリー「山中市長と論戦 その2〜新型コロナ対策〜」で報告します。