コロナ収束への、一歩にするために

5月12日から5月15日までの2020年度臨時議会が終了しました。今回の臨時会は感染拡大防止策・医療体制、生活の支援、企業・事業活動の支援の3つの柱で、緊急的な取り組みについて議論され、5,743億円の補正予算が可決されました。

 

私が所属する温暖化対策統括本部・環境創造・資源循環常任委員会では、補正予算のうち、「資源集団回収事業者緊急支援事業(4億円)」について審議しました。
この事業は古紙の市況価格の下落により経営が悪化している資源集団回収業者に対する支援として、奨励金制度を改正するというものです。

資源集団回収事業者緊急支援事業 【一般財源 4億円】

紙・板紙の国内需要は、人口減少、少子化、ICT化で減少傾向にあります。さらに、2019年暮れからは、中国の輸入規制により古紙の輸出ができなくなり市況価格は下落、加えて今回のコロナウイルスの影響で価格が暴落しています。

古紙回収問屋買値推移(日経平均:東京)

こうした経過を踏まえれば、この事業が必ずしも「緊急的な取組み」と言い切れないかもしれません。また、新型コロナウィルス影響が、多くの企業、様々な業種に及んでいる状況の中で、支援の優先度、緊急度、施策のバランスも重要です。

そこで、質疑では、今回の資源集団回収業者への支援策は、まずは12月まで実施するものであるという考え方を確認し、また、他の事業も含めコロナ対策補正予算がスピーディに実行されることが必要であることから議案には賛成しました。

気になるのは、家庭ゴミの問題です。横浜市は、首都圏で最大となる、43万4000人の市民が東京23区に通勤・通学しています。そのうち8割の方が、STAY HOMEに協力していると考えると計算上は約35万人、昼間の人口が増えることになります。横浜市の家庭ゴミは昨年に比べ、約13.5%増加しました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響を多くの人が受け、生活様式、働き方が大きく変わったことを示しています。

ゴミの収集・処理に従事する職員も超過勤務となっています。ゴミ収集作業員が「ゴミを介した感染に不安を感じている」という報道も目にしました。病院や、無症状者・軽症者の宿泊施設では、鼻汁がついたテイッシュやマスクは「感染性廃棄物」として密閉し、感染性廃棄物処理業者が処理します。しかし、家庭から出るティッシュやマスクは燃やすゴミとして出せます。収集車でゴミを圧縮する時に、ゴミ袋が破裂し、そこから飛沫感染、接触感染を起こす可能性があり、収集されている方たちへの安全対策が重要です。

そこで、私たちがすぐにできることは、改めてゴミの発生抑制や、ゴミ袋の口をしっかり縛るなどの感染拡大予防行動を、ひとりひとりが意識的に行うことです。それがコロナ収束の一歩にも繋がります。

ライフラインを支えている重要性が伝わるような発信の工夫が必要です。具体的に、広報よこはまでの呼びかけ、収集車で回っている時にアナウンスする、市長会見でメッセージを出してもらうなどの取り組みを求めましたが、まずは、広報よこはま、収集車でのアナウンスを実施する方向性を確認できました。
ゴミの収集・処理が滞りなく行われることは、私たちのくらしを維持する上で、本当に大切なことです。リスクに向き合いながら、暮らしを支えられていることに感謝します。

これからも、生活者の視点で、疑問点は明らかにしていきます。